リアデイルの大地にて3本ダウンロード

リアデイルの大地にて3

によって Ceez


4.5 5つ星のうち(18人の読者)

リアデイルの大地にて3本ダウンロード - 内容紹介次なる目的地は海底の竜宮城!?VRゲーム『リアデイル』に酷似した世界に転生し、冒険者としての生活にも慣れてきたハイエルフ"ケーナ"は次なる守護者の塔を目指し、旅を続けている。そして、近海の底に城を見たという噂が流れる漁村に辿り着くも、そこは不自然な濃霧に包まれ多数のアンデッドが闊歩する廃村と化していた!たまたま調査のために訪れていたかつてのギルドメンバーと再会したケーナは霧を晴らすため、ボスである幽霊船と海賊船長に戦いを挑むのだった――!!200年後から始まるエルフの伝説、第3弾!!内容(「BOOK」データベースより)VRゲーム『リアデイル』に酷似した世界に転生し、冒険者としての生活にも慣れてきたハイエルフ“ケーナ”は次なる守護者の塔を目指し、旅を続けている。そして、近海の底に城を見たという噂が流れる漁村に辿り着くも、そこは不自然な濃霧に包まれ多数のアンデッドが闊歩する廃村と化していた!たまたま調査のために訪れていたかつてのギルドメンバーと再会したケーナは霧を晴らすため、ボスである幽霊船と海賊船長に戦いを挑む―!!200年後から始まるエルフの伝説、第3弾!!

リアデイルの大地にて3の詳細

本のタイトル : リアデイルの大地にて3
作者 : Ceez
ISBN-10 : 4047358029
発売日 : 2019/10/30
カテゴリ : 本
ファイルサイズ : 26.72 (現在のサーバー速度は27.38 Mbpsです
以下は リアデイルの大地にて3 の最も正直なレビューです。 この本を読んだり購入したりする場合は、これを検討してください。
当人に自覚のないうちに三人の子持ちかつ、ふたりの孫持ちになってしまった主人公「ケーナ」(本人の主観年齢:十七歳)の明日はどっちだ!?と思いきや、孤独だった身の上を思い出す出来事も起こります。両親を失った孤児「ルカ」をかつての自身と重ね合わせたケーナは、彼女を家族の一員として迎い入れることに。というわけで、ゲームから現実へ転じたこと、加えて二百年後という二重の齟齬に悩まされつつも、自由闊達にファンタジー世界を闊歩するネット発小説『リアデイルの大地にて』三巻のレビューをはじめます。と言っても、一巻で触れさせていただいた通り、本作は「小説家になろう」発とはいえ、好悪分かれるイメージが形成されはじめた時期の作品です。つまり、「誰でも小説家になれる」というコンセプトそのままの洗練されていないのが強みであり、弱みでもあるということになります。この作品はネット連載小説が有するリアルタイムの反映性を活かしてか小エピソードを積み重ねていく短編の集積としての性質が強く、盛り上がりが期待できる大エピソードが見えづらいです。二巻に引き続き、冒頭に置かれたこれまでのあらすじで本当に大体わかってしまうのが美点であり、欠点であると言えばよいでしょうか。当座の目標は達成までの縛りもゆるく、主人公が万能であるため緊張感も達成感も希薄。ただし名声に興味がなく周囲からの称賛を拾っていくわけでもないのが枷にならず、味になっている部分もある。テンプレ不在ゆえに定義し辛い「普通」の物語を、どう受け取るもその人次第なのかもしれません。いい意味で何も起こらない空気感は最後まで保てると思いますし、安心するも退屈に思うもあなたの受け取り方によります。一方で終わらせるためのエピソードに向けた雰囲気作りも徐々に行われてはいるのですが。そんなわけで三巻のポイントに触れていきます。当面の課題である「守護者の塔」稼働は三本目、出オチというかお約束も見えてきました。けれども次以降につながる手掛かりは乏しく本筋の進行という面で見れば、いきなり手詰まりになった感もあります。ただし、必然性を無視してゲーム時代のイベントボスが場違いに起動。結果「異物」は無力な一般人に被害をもたらす。この展開が二巻の怪獣ペンギンに引き続き、三巻では二本立てでやってきます。いよいよ犠牲者も出てしまったので主人公としてもそろそろ看過できなくなってきました。その一方で、国家規模で向き合うべき人類存亡の危機がやってくる気配も。巨悪は不在としても、災害は迫っている――この辺りが牧歌的なこの作品にとってふさわしい落としどころなのかもしれません。続いて本人も気づいているんですがそうそう立ち入る気になれない国の要人との強固な繋がり、ここが次巻以降の展開の鍵になるのでしょうか。総じて桁違いの強者である主人公の出動を促すための「危機感」の演出、ここに終始した巻と言えます。なお、評価には反映させませんでしたが、この巻では文に荒いところが度々見受けられました。細部をあげつらうのは本意ではないので触れませんが、特に文末の引っ掛かりに覚えるのでおさまりが悪い。また、作中で繰り広げられる論法のところどころに棘が見えるようにも感じられました。主人公が世間に相手に抱く微妙な不信感のあらわれと考えれば悪くないのですが、ほのぼのスローライフ路線としては意外と難ありかもしれません。冗談といえばそれまでなんですが、主人公の人格を疑わせるような発言もここに来て気になりました。一方で再読した際には上記の問題がわりと緩和されたのでこの辺りは判断に悩むところ。下手に譲歩すれば善意に付け込まれるのは世の真理と言えば真理なんでしょう。ただ、子ども相手ならともかく、別にこのやり取り要らないよねってスキンシップが頻発してテンポを大いに損なっているのでどうも看過しづらい。特に気になったくだりは、口で説明すればそれで済む場面だったりもしましたから。以上のように、大筋は日常の延長と言っていいのですが、細かいところの減点要素が人によっては気になるかもしれません。とはいえ、あくまで私見ですので気にされない方は胸を張っていただきたいところです。その一方で案外地に足の着いた世界観への補足説明、子どもたちに差し迫る危機をじっくりと語る演出など、読ませるパートは豊富だったので、切って捨てるには惜しいと思わせてくれました。主人公に焦点を合わせると、話が意外と動いている部分がある様にも感じられました。なぜならば、ここに来て家族間での(オーバーリアクション)込みでの掛け合いは安定してきた気がします。孤児に思い入れる心情と、辺境の村の一員として実績を重ねていくストーリーライン自体は上手く動いていましたし。引き取った孤児「ルカ」自体はまだ心の傷から能動的に動かないのですが、この巻からの新キャラである執事「ロクシリウス」&メイド「ロクシーヌ」の衝突をいさめたりと、大器の片鱗を見せないこともないです。独立した子どもたちには適度な距離感を保ちつつ母として振る舞う。孫相手には貫禄の振る舞いを見せる。もちろん庇護すべき対象には無償の愛情を注ぐ。根底にあるのは十七歳の少女だとしても親族との関係を見ると、「ケーナ」という存在が一言では語れない多面性を宿すようになったと思えて感慨深いです。「なにをすればいいかわからなかった」主人公が、やるべきことを見つけた。それだけのハズなんですけどね。結局のところ、真の自由は息苦しい部分もあるということで。主人公は自由に動かすよりある程度ルートやロールに乗せた方がいい、その方が居場所という枷ができて逆に動かしやすくなる。少々切ないかもしれませんけど、それもまた世の摂理なのかもしれません。ちなみに巻末の短編では、二巻から主人公の知己となったプレイヤー「シャイニングセイバー」の原点について触れられます。今となっては騎士団長という大役を任されている彼も、レベルだけではどうにもならなかった厳しい現実に巻き込まれるところがはじまりでした。悠々自適なケーナとは違って世知辛いスタートだったようで、行きつくところは自分の居場所を確立するまでというところは共通しているので不思議と本編と通じるようでしたね。そうして、自由に振る舞う少女が人生を共に楽しめる相手と心地よい「不自由さ」を受け入れる、それもとても幸福なことだと思ったりもできたのですから、なんとも不思議なものです。

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