「反日思想」歴史の真実 (扶桑社ＢＯＯＫＳ新書)

「反日思想」歴史の真実 (扶桑社ＢＯＯＫＳ新書)の詳細

本書を読む前には、「中国・韓国の反日思想の原因が両国と日本の間における歴史の史実から得られるのであろう」という趣旨が本書のタイトルから予想されます。中国人・韓国人が日清戦争や韓国併合、慰安婦問題等の犠牲者であるとする歴史的解釈の間違いを指摘する解説が、本書でもなされています。これらの史実に対する歴史的解釈の間違いが反日思想の原因になっていると解説されているのだと思いました。しかし、本書の解説は少し趣が異なり、反日思想は中国・韓国と日本の過去の軍事的な対立に由来するのではなく、古来からの中国・韓国の日本への蔑視、中華思想からくるものであり、両国とも教育を通じて反日思想を積極的に行ってきたことを考えると、日本的な「道理」や「理屈」が正しければ理解してもらえると考えるのは誤りだ、としています。なるほど。黄文雄氏の『日本人が絶対理解できない中国人と韓国人』等とは取りあげている話題は異なるけれども、基本的には同じ方向性でよいものと思いました。