ラヴクラフト全集〈別巻上〉 (創元推理文庫)ダウンロード
ラヴクラフト全集〈別巻上〉 (創元推理文庫)
によって H.P. ラヴクラフト
3.7 5つ星のうち(7人の読者)
ラヴクラフト全集〈別巻上〉 (創元推理文庫)ダウンロード - 内容(「BOOK」データベースより) ラヴクラフトは数多くの添削や共作を手がけ、ほぼ全面改稿に近いほど手を加えたものもある。その一部は全集に収録されたが、今回は程度の多少にかかわらず、ラヴクラフトの手の入った作品を執筆年代順に別巻二冊に網羅した。上巻には、連続殺人鬼の異常心理をあつかった「最愛の死者」、地獄絵の恐怖を描く「メドゥサの髪」ほか十二編を収める。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 大瀧/啓裕 1952年、大阪市生まれ。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
ラヴクラフト全集〈別巻上〉 (創元推理文庫)の詳細
本のタイトル : ラヴクラフト全集〈別巻上〉 (創元推理文庫)
作者 : H.P. ラヴクラフト
ISBN-10 : 4488523080
発売日 : 2007/9/28
カテゴリ : 本
ファイル名 : ラヴクラフト全集-別巻上-創元推理文庫.pdf
ファイルサイズ : 23.6 (現在のサーバー速度は27.2 Mbpsです
以下は ラヴクラフト全集〈別巻上〉 (創元推理文庫) の最も正直なレビューです。 この本を読んだり購入したりする場合は、これを検討してください。
ラヴクラフトの資料というよりは、当時のパルプマガジンにどういう小説が載っていたか、あるいはパルプマガジンというのはどういうレベルの小説の載る雑誌だったのか、その時代の人々はどんな小説を読んでいたのか、そういうことの資料として、とても価値のある本だなと思いました。普通、ただポンと「20〜30年代のアメリカのホラー小説の、特におもしろくもなければ、かといって歴史的な価値があるわけでもない小説ばかり集めたアンソロジーを作りました。」と言われてもなかなかその筋の研究者の方じゃないと手が出ないものだと思いますが、この本は一応ラヴクラフト全集という冠がついているので、全くそういう小説について前のめりに知りにいこうという好奇心を持ち合わせていない僕のような人間でも、受動的にその時代についての新鮮な資料を手にすることができました。どの話ものちの50年代などにアメリカで作られる、ロジャー・コーマンの一連のE・A・ポー原作ものだとか、そういうおもしろくもなんともないベタベタなホラー映画のプロットを彷彿とさせるような展開と恐怖演出で、ああ、もしかすると、こういう小説ばかり読んだ子供が大人になったときに、ああいう映画を創り上げていったのかもしれないなと思って、文化というのはすごいものだな、と全然関係のないところで感慨にふけったりしてしまいました。この巻に収録されている短編は以上のべたところから推察いただける通り、それ単品ではほとんどおもしろくもなんともない作品ばかりです。中にはおもしろい作品もあって、「イグの呪い」は地味ながらも完成度が高く、悲惨な終わり方でなかなか印象に残りました。「マーティン浜辺の恐怖」の光景も、恐ろしいものではないにせよ、なんだか不思議な、よく想像するととても異様な映像だなと思って、これもなかなか楽しめました。また、ラヴクラフトの個人の全集に収録されている作品にはどれも独特の息苦しさというか、決してこの別巻に収録されているような「ベタ」な主題を扱わず、なんでも明確な意図のもときっちり仕上げてしまおうという気負いみたいなものを感じて読みづらく感じてしまうことがありますがここに収録されている作品は雰囲気こそ若干ラヴクラフトながら往々にして「ユルい」作品が多いので、全集を読破された方はまた違った楽しみ方ができると思います。映画に例えるなら、"ジェリー・ブラッカイマー制作総指揮"のドラマや映画をみて、つまんないなぁ、と思っているときと同じような気持を感じられる、とでも言いましょうか。なんだかそんなわけで、とにかく「資料価値」のある作品集だと思いました。
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